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子どもの急病

苫小牧市医師会「子どもの急病」の掲載について

 お子様が急に体調が悪くなった時、「かかりつけ医の受診まで、待てるだろうか?」「すぐに病院に行ったほうがいいか?」と迷うときに 夜間・休日急病センター受診を判断する目安について苫小牧医師会小児科医監修によりまとめました。
 お子様は、一人ひとり異なります。この受診の目安は、必ずしも“答え”であるとは限りません。受診の判断に困っている場合は、苫小牧市夜間・休日急病センターにご連絡ください。

発熱

発熱している赤ちゃんのイラスト

38.0℃以上の熱がでても機嫌がよく、水分・食事がとれていて、スヤスヤ寝ているようであれば、平日、日中の診療時間まで待ってよいでしょう。

  • 熱のではじめは手足が冷たく、寒気がして震えることがあります。暖かくしてあげてください。
  • 水分・経口補水液など普段より少し多めに、こまめに与えてください。
【こんなときは、急病センターの受診を考えましょう】
  • 生後3ケ月以下の赤ちゃんで、38.0℃以上の熱がある。
  • 冷やしたり、熱さましを使用しても 元気がなくぐったりしている。
  • 下痢、おう吐を繰り返している。
  • せき、鼻水がひどくて苦しそう。
  • 水分を飲もうとしない(欲しがらない)
  • いつもより、顔色がよくない、あやしても機嫌がよくない。
  • 熱が出る前に、高温・多湿の場所に長時間いた。
  • おしっこが、半日くらい出ていない。

けいれん

けいれんをおこしている赤ちゃん

けいれんが1回だけで5分以内に止まり、目を開けて呼びかけに反応し、その後いつもと変わらない場合。
また、今までに何度か起きたことがあり、熱性けいれんやてんかん等の診断をされていて、現在はけいれんが止まって意識が十分回復している場合、平日、日中の診療時間まで待ってよいでしょう。

【こんなときは、急病センターの受診を考えましょう】
  • はじめてのけいれんで発熱がない場合や高熱を伴うけいれん
  • 生後6ケ月以下、5歳以上のけいれん
  • 頭部打撲のあとに出現したけいれん
  • けいれん出現時、手足の動きが左右対称でない。
  • けいれんは短時間ですぐに意識は回復するが2回以上繰り返している。
  • 発熱を伴う「けいれん」の多くは、熱性けいれんで、生後6ケ月から5歳頃までに起こります。
こんなときは救急車‼
  • けいれんがおきて、意識がはっきりせず、唇の色が紫色で呼吸が弱いとき
  • けいれんがおきて、手足の動きが左右対称でなく全身のつっぱりが5分以内で止まらないとき
  • けいれんがおきてから、繰り返して吐いたり、数秒から数分でけいれんが何度も出現するとき。

咳(せき)

咳をしているこどものイラスト

眠りかけや走ったときにせきが出るが、他の症状はなく、元気があり、呼吸が苦しい感じがなく、横になって眠っていられるときは、平日、日中の診療時間まで待ってよいでしょう。

【こんなときは、急病センターの受診を考えましょう】
  • 激しくせきこみ、何回も吐いているとき。
  • 水分、食事をとりたがらない。
  • 高熱をともない、呼吸が苦しそう。
  • 犬やオットセイのような咳をしている。
  • 呼吸がヒーヒー、ゼイゼイして苦しそう。
こんなときは救急車‼
  • せきが頻回に出て、顔色・唇の色が悪く、のどのあたりが「ゼイゼイ」して横になっていられないとき。
  • 食べた後や何かを口にくわえて遊んだ後に、急にせき込みだし、顔色が悪くて苦しそうなとき
おなかが痛いこどものイラスト

腹痛

いったん腹痛はなくなったが、普段より元気がなく、下痢や便秘、あるいは食欲不振などの症状が続く場合は、平日、日中の診療時間まで待ってよいですが、平日の診療時間に一度受診しておきましょう。

  • 腹痛を訴えたら無理に食べさせないほうが良いでしょう。
  • 簡単に痛みが止まるようなら水分を少しずつ与えて経過をみましょう。
  • 「の」の字を描くように、おなかをやさしくマッサージしてあげると少し楽になる場合があります。
  • 排便で痛みが止まることがありますので、トイレへ行かせてみましょう。
【こんなときは、急病センターの受診を考えましょう】
  • ぐったりして泣いてばかりいる。
  • お腹が硬い。
  • お腹をさわると痛がる。
  • 股の付け根がはれている。
  • 頻回の下痢、おう吐がある。
  • 便に血が混じっている。
嘔吐しているイラスト

吐く

吐いたが、機嫌もよく、吐き気が止まった後、水分が飲める場合、下痢や発熱などがなく元気がよい場合は、平日、日中の診療時間まで待ってよいでしょう。

  • 吐き気が強い間は、無理に飲ませず、吐き気が落ち着いてきたら、経口補水液などを少量(30cc~50ccくらい)から飲ませてみてください。
    例) OS‐1・ポカリスェット・アクエリアス・など(塩分糖分が入ったドリンク類)
【こんなときは、急病センターの受診を考えましょう】
  • 母乳やミルクを飲む度に、勢いよく吐く。
  • 機嫌が悪い。
  • 吐いたものに血液や緑色のものが混じる。
  • おう吐と下痢を何度も繰り返している。
  • 腹痛を繰り返している。
  • 頭を強く打ったあとに吐いている。
  • 高熱と激しい頭痛を伴なっている。
  • おしっこが半日くらい出ていない。
お腹を下している人のイラスト

下痢

下痢の回数が1日5回以内で、熱もなく、機嫌がよく、おしっこが普段と変りなく出ているときは、平日、日中の診療時間まで待ってよいでしょう。

  • 下痢がひどいときは、お腹を休めるために固形物は与えないでください。
  • 食欲がなければ無理に食べさせる必要はありませんが、十分な水分補給を心掛けてください。
  • 常温にした経口補水液などこまめに飲ませましょう。
    例) OS‐1・ポカリスェット・アクエリアス・など(塩分糖分が入ったドリンク類)
  • 腹痛や嘔吐がなく、食欲があれば食事をとって良いですが、下痢の回復期には、加熱処理した炭水化物(おかゆやうどん)などの消化のよいものから、量は控えめにして与えましょう。
【こんなときは、急病センターの受診を考えましょう】
  • 便に血が混じっている。
  • 下痢の回数が多く、ぐったりしている。
  • 脱水症状がある。 (顔色が悪く、舌・唇が乾いている)
  • おしっこが半日以上出ていない。
  • 高熱、おう吐、強い腹痛をともなう。
発疹しているイラスト

発疹、じんましん

皮膚のブツブツに膿や水ぶくれがある場合、舌にいちごのようなブツブツがあるが、熱などの他の症状はなく元気な場合は、平日、日中の診療時間まで待ってよいでしょう。

  • じんましんでも強いかゆみがないとか、発疹が数個とかであれば、その部分を冷やして様子をみてもよいでしょう。
  • 発疹は時間がたつと、消えてしまうことがあるので 「写真を撮影」しておくとよいでしょう。
【こんなときは、急病センターの受診を考えましょう】
  • 薬を飲んだ後に発疹が出た。
  • くちびるや顔がはれぼったくなっている。
  • 足に小さなあざがたくさん出ている。
  • 高熱がある。
  • かきむしるような強いかゆみがある。
こんなときは救急車‼
  • 発疹が出て、息が苦しそう、顔色が悪い、声がかすれてきた。
アイロンでやけどをする赤ちゃんのイラスト

やけど

やけどの部位が狭く、赤いだけの場合はご自宅で様子をみてもよいです。
電気カーペット、使い捨てカイロなどによる低温やけどは見た目より重症なことがありますので、痛みが続いたりする場合は平日、日中の診療時間まで待ってよいでしょう。

手当の仕方

  • 痛みが引くまで(少なくとも10分以上)やけどの箇所を水で冷やしましょう。
    水ぶくれがある場合、勢いよく水をかけると、水ぶくれを破ってしまうことがありますので、洗面器などに水を入れて、やけどの周囲に水をかけてください。
    シャワーを使用する場合は水の勢いは弱めて、やけどの周囲からかけるようにしてください。
  • 水ぶくれができたら、破れないようにガーゼを当てて保護して下さい。水ぶくれの中は無菌状態ですが、水ぶくれを破るとそこから菌が入って、化膿するおそれがありますので、感染防止のため水ぶくれはそのままにしておきましょう。
【こんなときは、急病センターの受診を考えましょう】
  • やけどした部分が大人の手のひらより広い。
  • 顔、関節部、外陰部のやけど
  • 手のひらより広い水ぶくれがある。
こんなときは救急車‼
  • 全身の広い範囲・顔面や、やけどの範囲が片足、片腕以上の広範囲にわたるとき

救急車が到着するまで、上記の「やけどをしてしまったとき」を参考に応急処置をしてください。
服など無理に脱がさず、清潔なタオル、シーツなどで覆って救急車を待ってください。

怪我をしている人のイラスト

けがをした・鼻血がでた

  • 浅く、軽い傷で出血したがすぐ止まった。
  • 鼻血あったがすぐに止った

心配な場合は平日、日中の診療時間に受診しましょう。

  • 切り傷は、清潔なガーゼなどをかぶせ、浅い傷は軽く、深い傷は強く圧迫してください。
  • 血が止まりにくいときは、傷口を心臓より高くしてあげてください。
  • 鼻血が出てすぐに止まらない場合、小鼻の少し上のあたりをつまんで 15~30分つまんで圧迫します。
  • 顔は上に向かせないようにします。(血液がのどに流れ込み気管に入る恐れがあるため)
  • 出血した鼻の中にティシュなどは入れないで、しっかり小鼻をつまんでください。
    ※ 乳児(1歳未満)の場合は、口で呼吸ができないので出血している鼻の側だけを押さえてあげましょう。
【こんなときは、急病センターの受診を考えましょう】
  • おさえていてもなかなか出血が止まらない。
  • 動物や人に噛まれたとき
  • 傷が汚れているとき
  • 出血した以外の打撲がひどいとき
  • 傷が大きく、深い
  • 細かなガラス破片が刺さったとき
  • 鼻血が30分以上続くとき
熱中症を起こしている人のイラスト

熱中症

吐き気、だるさなどが続き1日経過しても引き続き元気がない場合などは、他の病気の可能性もありますので平日、日中の診療時間内に受診しましょう。

  • 水分のほか、塩分もとってください。
  • 経口補水液などを少量(30cc~50ccくらい)から飲ませてみてください。
    例) OS‐1・ポカリスェット・アクエリアス・など(塩分糖分が入ったドリンク類)
【こんなときは、急病センターの受診を考えましょう】
  • 頭痛、吐き気、おう吐があり、体がぐったりして元気がない。
  • 手足がひきつり歩けない。
  • 風通しのよい日陰や、涼しい場所に避難させて体を冷やしていても元気がない。
  • 水分が飲めない。飲もうとしない。
こんなときは救急車‼
  • 太陽が照り付ける車内や高温の環境の中に、長時間いた。
  • 手足が動かない。
  • けいれんを起こしている。
  • 呼びかけや刺激への反応がおかしい。
窒息・誤飲

窒息・誤飲

クレヨン、石けん、絵の具、化粧水などの誤飲は多量でなければ様子を見て大丈夫です。心配な場合は、平日、日中診療時間まで待ってもよいでしょう。

※ 異物が気道に入ると、呼吸ができなくなります。日頃から以下に注意してください。

誤飲や窒息は、ハイハイが始まる7~8ケ月頃から2歳頃まで多発しています。
下記の①は3歳くらいまでは与えない。3歳以上でも①~③は注意が必要です。

①丸くてつるっとしているもの
 ブドウ、ミニトマト,さくらんぼ、ピーナッツ、球形の個装チーズ、うずらの卵、ソーセージ、こんにゃく、白玉団子、あめ玉、豆類、ラムネなど

②粘着性が高く唾液を吸収して飲み込みずらいもの
 餅、ごはんやパン類(1口にたくさん詰め込んだり、良く噛まずに飲み込んだりした場合)

③固くて噛み切りにくいもの
 リンゴ、生のにんじん、水菜、イカなど

食品以外、硬貨、おもちゃのおまけなどにも注意が必要です。

のどに異物が詰まっていたら!
  1. 物の確認⇒口の中に見えるときは、かき出す
  2. 改善なければ119番通報し(他に人がいれば頼みましょう。)
    「背部叩打法」「胸部突き上げ法」を試みます。方法≫
  3. 意識がない場合は、心肺蘇生を行います。方法≫

※ 灯油、除光液、殺虫剤を誤飲した場合は119番


食品以外のものを誤飲した場合は

「日本中毒センター」に電話を!(中毒110番) 
(365日、24時間 対応、情報提供料:無料)

つくば中毒110番(9時~21時対)029‐852‐9999
大阪 中毒110番(24時間対応)072‐727‐2499
タバコ専用電話:072‐726‐9922

誤飲したものによっては、緊急処置が必要な場合があります。日本中毒センターへ電話をお願いします。

背部叩打法・胸部突き上げ法

異物が見えない場合は、図の方法を試みてください。

1歳未満の乳児

胸部突き上げ法

片手で体を支え、手のひらで後頭部をしっかり支えます。心肺蘇生法の胸部圧迫と同じやり方で圧迫しましょう。

背部叩打法

片手で体を支え、手のひらであごをしっかり支えます。もう一方の手の平の付け根で背中をしっかり叩きましょう。

胸部突き上げ法と背部叩打法を繰り返します。


1歳以上の幼児

腹部突き上げ法

背後から両腕を回し、子どものみぞおちの下で片方の手を握り拳にします。その手を腹部の上方へ圧迫しましょう


人工呼吸

呼吸してない!! ⇒ 落ち着いて 人工呼吸を

あお向けにして、頭を後ろに反らして同時にあごの先を上に持ち上げて気道を確保します。図を5回繰り返す

胸骨圧迫 (心臓マッサージ)

意識がなく呼吸をしていない場合は、人口呼吸 胸骨圧迫による心肺蘇生を開始します。幼児でも乳児でも、胸の厚さ3分の1くらい沈む強さで1分間に100~120回のスピードで圧迫します。

乳児の場合

左右の乳頭を結んだ線の中央で少し足側を指2本で押します。


幼児の場合

胸骨の下半分を、手のひらの根もとで押します。


こども家庭庁ホームページ

もしもの時の「応急手当方法」|こども家庭庁

予期せず起りやすい事故とその予防法についてなどをまとめた「こどもを事故から守る! 事故防止ハンドブック」をご覧になれます。

こども医療電話相談事業

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厚生労働省
夜間・休日のこどもの症状に対する対処について相談できます。

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