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Medical column とまこまい医報

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がん検診クーポン券

がん検診クーポン券

百村 敦司

(苫小牧市医師会・百村産婦人科医院)

麻生首相の置き土産で、昨年から子宮頚がん、乳がんの検診が無料(子宮頚がんの場合20歳?40歳の5歳刻み)で受けられることになりました。 「無料クーポン券」といわれるものです。先頃その検証が新聞、テレビを賑わしましたが、報道のスタンス(行政の発表)に違和感を感じ、子宮頚がんについてだけでも正しい判断の一助にとしゃしゃり出た次第です。  論調はおおむね「利用率低迷」というマイナスイメージの捉え方で、苫小牧民報紙上でも苫小牧市のまとめとして「子宮頚がんのクーポン券利用率は25.5%であったが国の目標50%を大きく下回る」とのこと。  数字を整理します。日本の子宮頚がん検診の受診率はこれまで20数%。先進諸外国は70%台ですから大きく差をつけられております。これでは恥ずかしいと設定された目標値が50%というわけです。検診受診率はもともと45歳がピークで、クーポン券の対象である40歳前の年齢層(特に20歳代)では非常に低い。苫小牧市では、無料クーポン券のなかった平成19年度の20?39歳の受診率は7.2%、20年度が7.5%でした。それが21年度のクーポン券利用率(検診受診率)25.5%なのです。クーポン券の発行により「受診率が3.5倍に跳ね上がった」と評価するべきで、国の目標以下と過小評価するのは如何なものでしょうか。腰が引けてるようで気になります。  苫小牧市の受診率は全年齢層でも低く、20年度道内各市の中でも15位の16.4%、道内平均の17.2%(全国は19年度21.3%)を下回るという数字です。今回発表の利用率25.5%をそれでも足りないと言わなければならないのは、ここ十年くらいで若い年齢層(ピークは35歳)の発症が急増しているからです。発症のピークが35歳で検診のピークが45歳では手遅れというもの。 市民は検診を受けましょう。行政はクーポン券の間隔を縮めて下さい。  ちなみに、子宮頚がん検診はがんの早期発見というより、がんになる前(前がん状態)の早期発見なのです。そして今話題の子宮頚がんワクチンは、がんの原因となるウィルスへの予防ワクチンです。 「10才(とう)からワクチン・20才(はたち)で検診」

2010年08月10日 苫小牧民報 掲載

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