これからの北海道での熱中症対策
平野 寿孝
(苫小牧市医師会・苫都病院)
平野 寿孝
(苫小牧市医師会・苫都病院)
北海道でも近年は真夏日や猛暑日が増え、熱中症は特別な地域だけの問題ではなくなっています。特に北海道は「涼しいはず」という意識から対策が遅れやすく、屋外作業や農作業、スポーツだけでなく、室内で過ごしていても熱中症になる危険があります。高齢者は暑さや喉の渇きを感じにくく、子どもは体温調節機能が未熟なため、周囲の注意が大切です。
熱中症予防で最も重要なのは、早めの水分補給です。喉が渇いてからでは遅く、暑い日は意識して小まめに飲むことが必要です。特に汗をかいた時には、水だけでなく塩分も失われるため、経口補水液やスポーツドリンクを適度に活用すると効果的です。ただし、スポーツドリンクの飲み過ぎには注意が必要です。
ペットボトル症候群にご注意!
近年問題となっているのが「ペットボトル症候群」です。糖分を多く含む清涼飲料水やスポーツドリンクを大量に飲み続けることで、急激に血糖値が上昇し、強い喉の渇きや倦怠(けんたい)感、吐き気などを引き起こします。重症化すると意識障害に至ることもあります。
暑い日には冷たい甘い飲み物を飲みたくなりますが、500㍉㍑のスポーツドリンクには砂糖約20~25㌘、角砂糖10~13個分相当と想像以上の糖分が含まれています。
毎日頻回に飲んでいると虫歯の原因や糖尿病の発症、悪化にもつながります。
水分補給の基本は水や麦茶であり、スポーツドリンクは大量の発汗時や体調不良時に補助的に利用することが大切です。
また、アルコールやカフェインを多く含む飲み物は利尿作用があり、水分補給には適しません。高齢者では夜間頻尿を気にして水分摂取を控える方もいますが、脱水の危険が高まります。エアコンや扇風機を適切に使用し、室温管理を行いながら、1日を通して無理なく水分を摂る習慣をつけましょう。
北海道の夏は本州より湿度が低い日もありますが、その分、気づかないうちに脱水が進むことがあります。「北海道だから大丈夫」と油断せず、こまめな水分補給と休息を心がけ、熱中症を予防していくことが大切です。
2026年07月31日 苫小牧民報 掲載