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Medical column とまこまい医報

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小児科医は予防接種を強くお勧めします!

小児科医は予防接種を強くお勧めします!

鈴木 秀久

(苫小牧市医師会・うとないキッズクリニック)

通常は生後2ヶ月から色々と予防接種が始まります。定期接種を含め、どれも強制ではありませんが、病気はかかるより予防した方が良いことに間違いはなく、それは任意接種も同様です。かかっても確実に完治するなら良いのですが、後遺症を残したり、命が危険にさらされることもあります。予防接種が対象とする病気は、実はこういったトラブルが少なくないのです。自然にかかった方が良いという過激な意見を目や耳にする機会があるかもしれませんが、それは何事もなく治ることができたラッキーな方の直感に過ぎません。その病気にかかって後遺症を残して苦しんだり、命を失ったアンラッキーな方が存在することを知らないだけなのです。予防接種を受けてぜひ免疫をつけましょう。

 アンラッキーな方がいることは分かったが、流行していない病気まで予防接種を受ける必要があるのかと疑問に思われる方がいるかもしれません。そう思われる方は今回の新型コロナウイルス感染症の騒動を思い出して下さい。免疫を持っていなければ、人流で瞬く間に感染症は全世界に広がることを人類は痛感させられたばかりです。予防接種が対象とする病気はまだ撲滅されてはいませんので、免疫がなくなることは危険なことです。

 必要性は理解できたが、デメリットつまり副反応が心配という方もいるかと思います。しかし、新型コロナウイルスの予防接種を除けば、実績十分なものばかりで、メリットはデメリットよりはるかに大きいです。例えば、最近話題の子宮頸がんの予防接種ですが、150~220人に1人が発症を回避できると推計されています。メリットは小さいと感じるかもしれませんが、100万人に接種すれば4,545~6,666人が子宮頸がんを回避できることになります。逆に、デメリットの一つのアナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)は約96万接種に1回です。1人が3回接種を受けるので100万人(300万回)でほぼ3人です。話題にされる脳や神経の病気、原因不明の痛みの病気は、因果関係が明確ではないものを含めて430万~860万接種に1回とさら少数です。100万人に数人のデメリットを心配し、100万人に数千人のメリットを逃すのはもったいないです。他の予防接種もメリットの方がずっと大きいので、感情的ではなく客観的に予防接種の損得をとらえ、予防できる病気はしっかり予防していくことを小児科医は強くお勧めします。

2023年01月26日 苫小牧民報 掲載

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