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新生児黄疸について

新生児黄疸について

大門 祐介

(・苫小牧市立病院)

 今回は、生まれて数日の赤ちゃんによく見られる黄疸について説明します。

{黄疸って何?}

黄疸とは眼が黄色くなったり、皮膚が黄色くなったりする症状の事を言います。大人と比較すると、生まれて数日の赤ちゃんは生理的黄疸と言って、程度の差はありますがみんな黄疸になります。この生理的黄疸は生後35日程度をピークに自然に治癒するため、過度に心配する必要はありません。

{なぜ赤ちゃんは黄疸になりやすいの?}

黄疸は、血液中のビリルビンという物質が上昇するため発症します。ビリルビンは、酸素を運搬する働きを持つ赤血球に沢山含まれています。赤ちゃんはお母さんのお腹の中では自分で呼吸をしておらず、お母さんが吸い込んだ酸素の一部を貰うため、とても薄い酸素環境です。この環境でも効率よく体の隅々まで酸素を運搬するために、赤ちゃんは特別な赤血球を使っており、また赤血球の数も大人より沢山あります。またお腹の中ではビリルビンの分解、排泄はお母さんの肝臓の力を借りています。生まれた後は、赤ちゃん用の赤血球は不要となるため壊す必要があり、このためビリルビンが増加してしまいます。また増加したビリルビンは、生まれて直ぐの肝機能が未熟なため十分分解できずに溜まってしまい黄疸となります。この様な生理的黄疸でも、脱水などによる血液の濃縮や肝機能の程度によっては時に治療を必要とする場合があります。また他にも赤血球の破壊亢進(血液型不適合など)、赤ちゃんの肝機能障害(感染症や新生児肝炎など)、ビリルビンの排泄障害(先天性胆道閉鎖など)などによる病的黄疸があります。

{黄疸は治療がいるの?治療の方法は?}

多少のビリルビンは体に悪影響はありませんが、あまりに高い値になると、このビリルビンが脳の細胞の中に溶け込んでしまい核黄疸という病気を発症し、将来後遺症を残してしまう可能性があります。従って出生体重と生後の日数、ビリルビンの値によって、治療の必要性を判断する基準があり、多くの施設がその基準に則って治療を行っています。

黄疸の代表的な治療として光線療法があります。光線療法は、光のエネルギーでビリルビンを分解し、体外へ排泄させる治療です。他には交換輸血や薬剤治療など特殊な治療がありますが、それらは当院の様にNICU(新生児集中治療室)を有する病院で行う事になります。

{黄疸が心配な時は…}

皮膚の見た目の黄色さだけで治療が必要な黄疸かどうかはわかりません。またビリルビンの排泄障害による黄疸では便の色が白くなる事があります。皮膚の黄色さが気になるとき、母子手帳の便色カードが13番の時には、お近くの小児科にご相談下さい。

2020年05月13日 苫小牧民報 掲載

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