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フレイル

フレイル

佐々木 路佳

(苫小牧市医師会・青 葉 病 院)

フレイルと言う概念をご存知ですか?フレイルとは、「加齢にともなって、筋力や心身の活力が低下した状態」の事で、“健常な状態”と“要介護状態”との間に位置します。歩くのが遅くなった。転びやすくなった。やせてしまった、疲れやすくなった。そんな症状から始まります。元気で自立した生活ができる期間(健康寿命)の延伸が待望されている今、フレイルに対する正しい理解とその予防・改善対策が注目されています。

フレイルの評価法としてよく用いられるのは以下の5つの指標です。①体重減少:最近6カ月で2~3㎏以上(5%を超える)体重減少があった。②筋力低下:握力が男性26㎏未満、女性18㎏未満。③易疲労感:(ここ2週間)訳もなく疲れた様な感じがする。④歩行速度の低下:通常歩行速度が1秒間に1m未満。⑤身体活動の低下:1)軽い運動・体操をしているか?2)定期的な運動・スポーツをしているか? 1)2)のいずれもしていない。

1~2項目に該当した場合は前フレイル。3項目以上に該当した場合はフレイルと判定されます。しかし、フレイル(前フレイル)と判断されても悲観しないで下さい。何故なら、適切な対策で進行の予防や健常近くに戻れる可能性が有る状態であることが解っているからです。

フレイルは、加齢、生活習慣・環境等様々な要因が悪循環を形成しながら発症し、放置すると要介護に進行してしまう状態です。筋肉量・筋力の低下⇒歩行機能低下⇒外出がおっくう⇒孤立⇒食欲低下⇒低栄養進行⇒筋肉量・筋力の低下・・・という悪循環を断ち切る対策の中核が筋肉量・筋力を増強する事であり、その為には適切な栄養摂取と適切な運動を行う事が極めて重要となります。

筋肉合成に必要な蛋白質とエネルギーの十分な確保が最も重要ですが、更に①牛乳・乳製品②肉類③魚介類④卵⑤大豆製品⑥海藻⑦緑黄色野菜⑧果物⑨いも⑩油を使った料理等をまんべんなく食べる事が理想です。その上で、適切な運動を行い筋肉・筋力をつける努力をしましょう。筋肉には「使わないと衰える。使い過ぎると故障する。適度に使うと発達する。」と言う特徴があります。運動強度は高い方が効果的ですがスクワットやウォーキング、椅子に座っての膝伸ばし・腿上げ等の軽負荷のトレーニングでも効果があります。能力に応じた運動を選択して継続して下さい。動ける身体作りと動こうとする気持ちが、フレイル対策では何よりも大切です。

2019年05月29日 苫小牧民報 掲載

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