No.115
◆脂肪肝と肝がん
苫小牧市医師会
代田 充

最近B型、C型肝炎ウイルスに関係しない肝臓がんの発生が増加しております。国立病院機構の肝ネットワーククのデータでは2009年1月から2010年12月の2年間に新規発生の肝がん1140症例のうち非B非C肝炎由来の肝がんは305例あり26.8%も占めました。そのうちの多くは脂肪肝炎(NASH)が原因と考えられております。

アメリカでは肝がんのうち脂肪肝炎(NASH)由来が13%を占めるといわれています。現在インターフェロンや核酸アナログといわれる抗ウイルス薬が上市され、今後はウイルス性肝がんがさらに減り、脂肪肝由来のがんの増加が予想されます。NASH肝硬変からは毎年2%の発がんが認められるといわれております。

では脂肪肝炎(=NASH)とはどんな病気でしょうか?NASH(=nonalcoholic steatohepatitisの略)は、非アルコール性とあるように、アルコールなしで発症する肝炎のことをいいます。一言でいうとカロリーオーバー(食べすぎ、運動上足)です。カロリーオーバーの食生活で内臓脂肪が溜まると、そこから常に、大量の脂肪が肝臓へと供給される事となってしまいます。そして余った脂肪が肝細胞の中に溜まってしまいます。肝臓は、たまり続ける脂肪を燃やそうとするのですが、その過程で上完全燃焼から有害な活性酸素が発生し、肝臓の細胞を攻撃し、炎症を引き起こしてしまうのです。

脂肪肝の可能性が高いかどうかは肥満度(BMI)で調べる事ができます。肥満度は自分の身長、体重から簡単に計算ができます。BMI = 体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)です。例えばAさんは体重60kgで身長150cmならば 60÷1.5÷1.5=26.7となります。BMIが25を超えると肥満と判定されます。Aさんは肥満となります。Aさんは脂肪肝の可能性があるでしょう。(あくまでも可能性であって採血や腹部エコーをしてみないと診断はできません)ただし、やせているから安心ではないのです。ダイエットで細くなった女性でも、栄養バランスを崩して脂肪肝になる事があります。肝臓は症状がない沈黙の臓器といわれております。是非、年に1回は健康診断を受けて肝機能(GPT)を調べましょう。


代田 充 (苫小牧市医師会・勤医協苫小牧病院)

2014年2月25日 苫小牧民報 掲載

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