No.114
◆苫小牧における緩和ケア病棟誕生まで
苫小牧市医師会
今野 哲朗

苫小牧にホスピス緩和ケアの概念が広く知られるようになったのは、医療者側の働きかけというよりも、市民グループが「ホスピス《「緩和ケア《の啓発、普及等の活動を苫小牧市民に対して行ったことから始まっており、これは特記すべきことと思っております。苫小牧では、平成6年から、市民グループ「苫小牧生と死を考える会《や同じく市民グループ「心あたたかな医療を求める市民の会《などで、ホスピス運動や市民に対する啓蒙活動などが実施され、「平成18年苫小牧市立病院移転の際、緩和ケア病棟設置要望《の運動につながった経過がありましたが、このときはは時期尚早ということで実りませんでした。

このような市民グループの活動が行われている一方で、平成16年のがん対策基本法制定により、「がん医療《のなかでも「緩和ケア《の実施の必要性が謳われ、これを契機に、医師などがん診療に携わる医療者にも緩和ケアの重要性の認識が高まってきた現状があります。

苫小牧東病院の緩和ケア病棟の準備は、小生が緩和ケア病棟を創るべく、平成19年4月市立病院を定年退職し、苫小牧東病院に勤務したのち、具体的に開始されました。平成19年緩和ケア病棟準備委員会ができたことから始まり、緩和ケアチームを創り、勉強会・関係学会参加・緩和ケア病棟視察の実施や、地域ニーズの把握・緩和ケア病棟立ち上げに関する提言を病院に対し実施する活動などを行ってきました。緩和ケア病棟立ち上げ準備6年目の平成25年1月、元王子総合病院副院長、浅野 真医師が当院に赴任し、緩和ケア病棟設立に向け、さらに力を合わせ取り組んでいるところです。当院の現状は、すでに緩和ケアチームが稼働し、がん患者の診療や週一度の緩和ケアカンファレンスの実施などしております。このように緩和ケア病棟開設に向け準備中です。

苫小牧における緩和ケア病棟の位置付けとして当院としては、在宅、病院、診療所、緩和ケア病棟(緩和ケア施設)が密に連絡を取りあう、緩和ケアの地域連携を推し進めていきたいと考えています。また診療体制が在宅医療に重きを置かれる中、「緩和ケア病棟《は単に「看取りのための病棟《と位置付けるのではなく、「患者の在宅療養を助ける在宅療養支援《と「病院から在宅療養につなぐ機能《と位置付けられることが大事であり、その役割鵜も担っていきたいと考えております。


今野 哲朗 (苫小牧市医師会・苫小牧東病院)

2014年2月25日 苫小牧民報 掲載

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