No.102
◆子供の骨折
苫小牧市医師会
冨田 達也

子供の骨折は成人と比べて、さほど多いものではない。子供の特徴として成長期であること、修復力も旺盛であること、一般に健康であることから子供の骨折は治りやすいと、言われている。骨の特徴として、骨端線(骨の端にあって、骨を成長させるところ)の存在、厚い骨膜(骨の表面にあって、骨の修復に役立ち、血管・神経が豊富)および柔軟性があることである。骨端線の存在は、小児科特有の骨端線難開(骨の成長するところにダメージが及ぶ)を生じること、厚い骨膜はしばしば骨膜化骨折(明らかな骨折線が分かりにくい骨折)、柔軟性に由来するものは若木骨折(Green Stick Fracture)の発生である。

ひとたび骨折が発生すると、骨癒合が早期に起こり、自家矯正が働き多少の骨折変形も自然治癒する。また、関節拘縮(関節の固定のため硬くなり、動きが悪くなる)は起きにくい。ただし、骨端線損傷が生ずると成長障害を考えなければならない。

骨折の年齢分布は、ピークは12才前後、ついで6才前後に次のピークがある。骨折部位は撓骨(前腕)がもっとも多く、以下、指の骨、鎖骨、尺骨、上腕骨などと続く。上肢のほうが、下肢より多い。受傷原因はスポーツ、環境因子、交通事故、遊戯などがあり、受傷機転は、転倒や転落である。年齢と発生部位については、身体発育や社会的側面から変化し、0〜2才は鎖骨、3〜14才は撓骨、15才〜17才は指の骨に多いと言われている。特徴的な骨折を提示します。・転んで肩関節を外転位で手や肘をついたときに、鎖骨骨折が生じるが多くは保存療法(手術はいらない)で治る。・上腕骨の肩に近いところの骨端線付近の骨折は、三角巾固定で治る。・転倒して肘関節付近の骨折が生ずると、治療が難しいことがある。腫脹が極端に強く、血行障害、神経麻痺も考慮しなければならず入院して持続牽引したり、時として手術も必要なこともある。・前腕骨折は転位が大きい時は、麻酔をかけて治すこともある。・スキーで転倒、下腿骨(すねのところ)骨折が起きるが、ほとんどギプス固定で治癒する。

その他の特徴として・骨膜化骨折のときには、一回のレントゲンだけでは骨折の存在が判らない事があり、経過を見ていく途中で、骨折が判明することがよくあり。また、初診時に健康側のレントゲンを撮って、小さな違いを見つけてもらう事も、大切と思われる。・学生のスポーツ活動で、繰り返しのストレスからくる疲労骨折の存在もあり得る。・運動会シーズンになると、何印化転倒、骨折が発生して来院する。以前から医療現場で治療して考えることだが、ムカデ競争はすべきでないと思う。見学する人達は面白いようだが、競技している子供達は危険が一杯で、何人か治療した経験から、競技種目から外すべきと思う。


冨田 達也 (苫小牧市医師会・同樹会苫小牧病院)

2013年6月11日 苫小牧民報 掲載

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