No.99
◆花粉症と口腔アレルギー症候群
苫小牧市医師会
中林 透

北海道では、これからの季節、4月下旬から5月中旬にかけて、シラカバ花粉が多く飛散し、この時期に一致して鼻水、くしゃみ、眼のかゆみなどを訴えるシラカバ花粉症を発症する人がいます。ところで、花粉症の人に「口腔アレルギー症候群」が多いのをご存知ですか?口腔アレルギー症候群とは特定の果実や野菜を食べると、口の中やのどがかゆくなったり、ヒリヒリする、口の中の粘膜や口唇がはれるといった症状が現れる疾患です。口腔アレルギー症候群は果実によることが多いので、「果実アレルギー」とも呼ばれます。シラカバ花粉症・ハンノキ花粉症とバラ科の果実やセリ科の野菜との関連、ブタクサ花粉症とウリ科の果実や野菜との関連やスギ花粉症とトマトとの関連が知られています。

口腔アレルギー症候群に関連する代表的な花粉症がシラカバ花粉症です。シラカバ花粉症患者さんの実に30〜50%が、りんご、もも、なしやさくらんぼなどのバラ科の果実を食べると口腔アレルギー症候群を起こすことが知られています。シラカバの花粉とバラ科の果実に共通の成分(抗原)が存在することが原因と考えられています。まれにキウイ、メロンといったバラ科以外の果実ではシラカバ花粉症の有無に関わらず口腔アレルギー症候群がみられることがあります。

典型的な症状としては、原因となる果実や野菜を食べて約15分以内にそれが触れた、口唇、口腔や咽頭部に刺激感、かゆみ、ひりひり感、突っ張り感などが現れます。その他、鼻や眼の花粉症様の症状や、じんましん、血管浮腫、腹痛、嘔吐、下痢、喉頭閉塞感、喘息、アナフィラキシーなどの全身の症状を伴うこともあり注意が必要です。花粉症がすでに存在する患者さんで口腔アレルギー症候群を発症する場合が多いので、花粉症の原因となる抗原(アレルゲン)の特定が重要です。内科や耳鼻科での血液検査(IgE RAST)でアレルゲンを特定できる場合がありますのでご相談ください。

残念ながら現在有効な治療法はありません。予防としては、口腔アレルギー症候群の原因となる果実や野菜を食べないようにすることしかありません(ただし焼いたり加熱した果実や野菜では症状が出にくい傾向はあります)。また口腔アレルギー症候群の原因と考えられる果実や野菜と同じ科に属している果実や野菜は、共通のアレルゲンを持っているので、食べないようにしてください。


中林 透 (苫小牧市医師会・沖医院)

2013年3月26日 苫小牧民報 掲載

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