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Medical column とまこまい医報

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検診と健診

検診と健診

横山 浩二

(苫小牧市医師会・横山内科消化器科)

検診と健診の違いについて、明瞭に答えられますか? 意外とわからないものです。検診は特定の病気を発見し、早期の治療を目指すものです。がん検診や、糖尿病検診などがこれにあたります。一方、健診は健康かどうかを確認し、健康上の問題がなく、社会生活や、仕事等が正常に行えるかどうかを判断するものです。具体的には、学校健診や就職時の健診、仕事場における定期健診などがこれにあたります。いわゆるメタボ健診の特定健康診査(特定健診)について苫小牧市では平成24年度より特定健診対象者全員の健診料自己負担を無料化とすることにしています。

また、生活習慣病の治療中の方もその対象となります。対象者は将来起こりうる血管病変、特に心筋梗塞、脳梗塞等の疾患に対する予防のきっかけとなりうる特定健診を受けられることを是非お勧めします。しかしながら、現在の特定健診だけでは、私の意見ですが、安心できないのが実状です。

他に何が必要でしょうか?それは検診です。がん死亡率の減少が認められた科学的根拠のある検診として,胃がんに対する胃バリウム検査、肺がんに対する胸部X線と喀痰細胞診の併用、大腸がんに対する便潜血検査、大腸内視鏡などがあります。年間のわが国における、がん死亡数は約35万人で、その内肺がんの死亡数は、約6万8千人。胃がんの死亡数は、約5万人。

肝臓がんの死亡数は、約3万3千人。大腸がんの死亡数は、約4万3千人です。これらのがんに対しての検診が重要なのです。苫小牧市では大腸がん、子宮がん、乳癌、肝炎ウイルス検診については、対象年齢者に対して無料クーポン券を6月に発行する予定ですので是非ご利用願いたく思います。対象年齢者は平成24年4月1日時点で(子宮頸がん検診、20,25、30、35、40歳だった方。)(大腸がん、乳癌検診、40、45、50、55、60歳だった方。)(肝炎ウイルス検診、 (40、45、50、55、60、65歳だった方。)です。その他の方でも自己負担金は、かかりますが、検診を受けることができますので、是非ご利用願いたく思います。

2012年05月22日 苫小牧民報 掲載

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