No.82
◆看護師養成の昨今
苫小牧市医師会
冨田 達也

 平成21年にもお知らせしましたが、苫小牧市医師会は苫小牧市及び東胆振地域の看護職員確保を目的に、准看護師課程(准看護学科)、全日制の看護師3年課程(看護第1科)、看護師2年課程定時制(看護第2科)の3本立てで患者さんのためにあたたかいおもてなしのできる准看護師・看護師を育ててきました。その後の看護養成をとりまく環境は徐々に変わってきました。そのことを含めて苫小牧看護専門学校の状況を説明しておきたいと思います。上記の看護師養成の中で、看護第2科(准看護師の資格をもち、働きながら看護師を目指す2年課程)の応募者が次第に減少してきて、平成21年より定員割れとなりましたので、さらに平成23年の入学者は、40人定員のところ入学者は23人と激減しました。これは各地の准看護課程の閉鎖が相次いだこと、本校の准看護課程の学生は高校新卒はいますが一度社会に出て他の仕事を経験した後、新たに看護の道を目指す人も少なくありません。このような学生は准看卒業後、上(看護師)を目指すものが少ない傾向にあります。

 又、2年課程通信制が平成18年よりスタートし、働きながらレポートを提出して看護師になる道ができました。道の通信制は平成23年度より募集を停止しましたが、私立の学校は継続しており平成21年度は苫小牧管内から40〜50人の在学生がいたようです。このような状況のため2科の定員割れ傾向が益々強くなりこのままの状況ですと、苫小牧市医師会としても経営が難しくなり、看護対策委員会、医師会の諸会議で協議した結果、平成25年度より2科募集停止と決定しました。昭和54年から続いた2科の歴史に幕を閉じることになります。働きながら学ぶことは、体力的にも精神的にも辛い時期が多々あったと思いますが、卒業して晴れの国家試験に合格した時は喜びもひとしおのようでした。これまでに1,056人の素晴らしい看護師が巣立っています。

このような事情で2科は閉科が決まりましたが、准看、1科は今まで通り継続して優秀な准看護師・看護師を養成しています。市民の皆さん!!看護への道はそう簡単なことではありませんが、一度資格をとりますと大変やりがいのある仕事には違いありません。病に悩んでいる人達を援助しようと志のある方、是非私達の仲間に加わりませんか。お待ちしております。最後に、この1〜2年の傾向ですが、看護の道を目指して入学してきた学生が、机上の学問を終えて、実際に患者さん相手に実習が始まると、コミュニケーションのとり方ができず、悩める患者さんの訴えを聞き入れることができず「自分は看護師に向いていない」と学校を去っていく学生が時々見受けられます。残念なことです。

やりがいのある看護への道を真に志す人達は、辛い実習もなんとかのりこえられると思います。患者さんと上手にコミュニケーションをとることは、ナースにとって必要不可欠なことです。一方、看護師の資格をただとりたい、又、親や高校の先生から勧められたという理由で入学してきた学生にとって、悩める患者との対話はかなりきついようです。私達はやりがいのある看護職を選択した以上、自分自身が病める患者に熱い情熱をもって飛び込んでいけるような人達を心から待っています。


冨田 達也 (苫小牧市医師会・同樹会苫小牧病院)

2012年4月10日 苫小牧民報 掲載

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