◆医療連携について

 

No.40

 
         
 

 患者の皆様は、病気になった時、発病した時から回復期、リハビリに至るまで、ずっと同じ一つの医療機関や同じ先生に面倒を見て欲しいでしょう。

医師の側も、出来れば主治医として、最後まで治療して見届けたいと思っているのですが、最近はそれがなかなか困難な状況になってきています。

 それは一つには、医療が進歩して、一人の医者が何でも診られないほど専門性が強くなったこと。またどの地域や時間帯でも同じレベルの医療を要求し、何か問題があれば、訴訟などのクレームが来るような社会情勢になったこと。

そして国は、医療に対する方針として、病院や診療所の機能を分け、病気の種類や時期によって、治療場所を変えないと経営が成り立たないようなしくみをつくったからです。

 従って病気になった時は、まず近くのかかりつけの診療所や病院で診てもらい、必要なら2次3次の病院へ紹介してもらうことになります。

またその時間帯によっては、夜間急病センターや当番病院にかかることになるかもしれません。そして病状が落ち着き、その後の経過観察や慢性期の治療が必要になったら、また近くの施設に移って診てもらうことになるでしょう。在宅での治療も可能になるかもしれません。

 我々医療側も、病院同士の『病病連携』、病院と診療所間の『病診連携』というものをうまく使うように努力をしていて、患者様の同意を得て、カルテが連携施設間でネットを使って見られるようなシステムを開発したり、『診療情報提供書』の様式を統一して見やすいものを作ったり、患者様の情報がうまく連携できるように工夫しています。

 ただ、病院や診療所が変ると、使うお薬が変ったり(最近はジェネリックという、同じ内容でも名前が違う薬を処方されることも多くなってきました。)や、医師や看護師などの担当が替わるため、すぐにはなじめないことが出てくるかもしれません。遠慮なく相談されるといいと思いますが、一つの医療施設に患者様が夜昼なく殺到して、過剰労働でパンクしてしまった例もあるので、医療施設は市民全部の財産であることも考慮していただきたいと思います。

 日本には『駅伝』という競技があり、上り坂が得意な選手や下り坂が得意な選手をうまく配置するそうです。我々医療側も『患者様』というたすきを、早く確実に『治癒』というゴールに届けられるよう、得意な分野の『連携』をうまく行なっていきたいと考えています。

 

 
 
     
  苫小牧市医師会
花谷 馨
 
     
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
         
  花谷 薫
(苫小牧市医師会・苫小牧市立病院
2010年3月9日 苫小牧民報 掲載


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