◆ニキビの新治療

 

No.35

 
         
 

 思春期以降の男女の顔に、赤く盛り上がった発疹が多発する「ニキビ」。多くの方が一度は経験する皮膚病ですが、適切なケアを怠ると、「ニキビあと」が長期間残ることがあります。これまでは「どうせ皮膚科に行ってもニキビは治らない」とあきらめて、市販薬で対処していた方が多かったかもしれません。
 そんな状況を一変させる可能性のある治療薬が、昨年秋に保険適応になりました。「アダパレン(商品名ディフェリンゲル)」という塗り薬です。海外では九〇年代から使われ、高く評価されてきた薬です。日本での登場から1年、「期待通りによく効く」と多くの皮膚科医に支持されています。
 そもそもニキビは、顔の毛穴の出入り口が「角化異常」によって狭くなり、毛穴に皮脂が充満することから始まります。これを「面ぽう」と言います。初期の「面ぽう」は赤みはなく、俗に「白ニキビ」「黒ニキビ」などと呼ばれます。その後「アクネ菌」と呼ばれる細菌が増えると、炎症反応を起こして、「赤いニキビ」になります。これが重症化すると、「瘢痕」を形成し、将来「ニキビあと」が残ってしまうことがあります。
 従来のニキビ治療薬は、アクネ菌を抑える「抗生物質」の塗り薬、飲み薬が中心でしたが、初期のニキビには効果が限られていました。アダパレンは毛穴の角化異常を改善させることで、初期のニキビにも効果を発揮する新しいタイプの塗り薬です。
 アダパレンには、皮膚の刺激感が生じやすいという欠点があります。しかし2週間ほど外用を続けていると、通常は刺激感が軽減していきます。また十二歳未満の方、妊婦さん、授乳している方には使用できないという制限があります。アダパレンの発売に前後して、日本皮膚科学会がニキビ治療の指針となる「尋常性座瘡治療ガイドライン」をまとめました。これまでは個々の医師の「経験」や「主観」で左右されてきた治療法の選択基準に、一定の科学的根拠が加わることになりました。今後、適切かつ標準的な治療が広くおこなわれるようになるだろうと期待されています。
 ガイドラインでは、アダパレンと従来の治療薬との併用が有効とされています。
また食生活のバランスに気をつけること、適切な洗顔法を行うことなど、生活習慣の改善指導も重要です。ニキビに悩む方は、最寄りの皮膚科医とよく相談しながら、自分にあった治療法を見出だすとよいでしょう。

 
 
     
  苫小牧市医師会
高橋 幸夫
 
     
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
         
  高橋 幸夫
(苫小牧市医師会・医療法人社団北斗会 たかはし皮膚科クリニック)
2009年12月22日 苫小牧民報 掲載


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