◆後期高齢者医療制度(長寿医療制度)について

 

No.22

 
         
 

  昨今の急激に変わる医療保険の制度。その中でも今回は、後期高齢者医療制度(長寿医療制度)についてお話します。

 2008年4月にスタートした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)は、簡単に言うと、健康保険などの保険制度と別建てで75歳以上の後期高齢者自身が保険料を負担し、医療を受ける老人保健制度です。運営は基本的に全都道府県に一つずつ設けられた「後期高齢者医療広域連合」という組織により、都道府県単位で行われ、保険料も決められます。つまり、各都道府県の医療費水準を元に保険料が決定されるというものです。今年9月から変わる政府管掌の社会保険もこのように都道府県の医療費水準を基に保険料が改定されます。ことに北海道に関しては、医療費水準が全国平均より高いため、保険料は他都府県より高くなる傾向にあります。

 保険料の徴収は、年金からの天引き(特別徴収)か、口座振替(普通徴収)となります。ただし、場合によっては、口座振替が認められない場合や、天引き徴収の対象にならない場合があります。

 保険料額については、後期高齢者個々に均等割額と所得割額の合算で決定します。ただし、現在は、保険料の軽減措置がとられています。軽減措置とは、これまで健康保険や共済・組合保険の被保険者の被扶養者になっていて、保険料の負担がなかった75歳以上の後期高齢者に新たに負担が発生してしまうための措置として、所得割額、均等割額の部分について4段階に分けて軽減措置がとられています。軽減措置を受けるための申請は特に必要はありません。まず対象者は、制度加入から2年間は支払う保険料が半額となります。つまり、被保険者となった月から2年間は、所得割額は課されず、均等割額のみの負担となり、しかも均等割額が5割軽減されます。しかも、この軽減措置に加えて、サラリーマンの夫や息子に扶養されていた被扶養者のみを対象に負担凍結措置(均等割額9割減)がとられました。この負担凍結措置は、平成22年3月末まで適用されます。

 つまりは、これまで保険料の負担のなかった75歳以上の方は、後期高齢者医療制度により保険料を負担することになるわけですが、平成22年3月末までは所得割額の負担はゼロ、均等割額の保険料は1割分のみの負担となり、かなり軽減されることになります。

 ただし、これらの軽減措置は、あくまで期限付きです。高齢化社会が今後も急ピッ
チで進む見通しには変わりなく、高齢者の医療費も増幅していくことが予想されます
ので、この後期高齢者医療制度による高齢者の保険料負担、または医療費の自己負担
が現状よりも大きくなることは避けられないところです。

 
 
     
  苫小牧市医師会
川端 博志
 
     
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
         
  川端 博志
(苫小牧市医師会・医療法人社団未来 ケーアンドエークリニック)
2009年6月9日 苫小牧民報 掲載


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