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脳ドックと早期受診のお勧め

脳ドックと早期受診のお勧め

能條 建

(苫小牧市医師会・苫小牧市立病院)

 脳卒中には脳梗塞、脳出血、くも膜下出血があり、一度発症すると重篤な後遺症の残すことが多いのでその予防が大切です。そのためには日頃から脳卒中発症の危険因子とされている高血圧、糖尿病、脂質異常症、メタボリック症候群などの治療が必要です。脳卒中で入院された患者さんのMRIを観ると入院の契機となった責任病巣のほかに発症以前からあったと思われる古い病変が認められることをしばしば経験します。大半は無症候性の脳梗塞や脳出血と言われるものですが、症状が出る前の段階でこのような病気を見つけることが出来ればその後の脳卒中の予防が可能となる場合があります。特に上記の危険因子をお持ちの方や脳卒中の家族歴のある方は症状がなくても数年に一度は脳ドック受診をお勧めします。脳ドックでわかることは先ほどの無症候性の脳梗塞や脳出血以外にも、脳の動脈硬化の程度やくも膜下出血の主因と言われる脳動脈瘤の有無などです

 画像所見や合併する疾患により適切な予防薬を選択するばかりでなく、内頚動脈狭窄症の患者さんでは血管内膜の厚くなった部分を除去して狭窄部を拡げる血栓内膜剥離術や血管内から金属製のメッシュ状の筒を狭窄部に留置して拡げる内頚動脈ステント術などにて脳梗塞の発症を予防したり、未破裂脳動脈瘤の患者さんでは脳動脈瘤頚部クリッピング術や脳動脈瘤コイル塞栓術などにて破裂を予防することも可能です。

 そして、予防はもちろん大切ですがそれでも発症してしまった場合には出来るだけ早期に治療を開始することが必要です。2005年から血栓溶解薬(アルテプラーゼ)の静脈内投与が発症3時間以内に治療可能な脳梗塞の患者さんを対象に認可され、詰まった血管が再開通することにより症状が劇的に改善する症例が多いことが報告されています。

 そのためには遅くとも発症2時間以内に治療可能な施設にかかる必要があります。脳梗塞は最初の症状が軽いからといって様子をみたりするとその後悪化して治療の機会を逃す危険があります。手足の脱力やしびれ、口のもつれ、めまいやふらつき、半盲、失語、複視などの症状は脳梗塞の可能性がありますので、すぐ救急車を呼びましょう。また、このような症状が短時間で消失してしまうこともありますが、これは一過性脳虚血発作と言って脳梗塞の前触れの症状である可能性があるため良くなった場合でも病院にすぐかかることをお勧めします。

2012年01月24日 苫小牧民報 掲載

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