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Medical column とまこまい医報

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こどものくすりについて

こどものくすりについて

小林 徳雄

(苫小牧市医師会・王子総合病院)

 子供に薬を飲ませるのは大変です。以前より随分薬の味は良くなったのですが、それでも子供にとって薬は「味が悪い上に量が多い」「無理やり飲まされる」ものでありがちです。たくさんの親御さんが、いやがる子供にちゃんと薬を飲ませようと、頑張っているのです。すでに実践している方も多いとは思いますが、こども用の薬について、いくつかのことを確認したいと思います。のみ薬には、錠、カプセル、粉(顆粒、散)、シロップがあります。小さなお子さんだと、気管に間違って飲み込んでしまうかもしれませんので、錠剤は処方されません。粉薬やシロップが主になります。

 処方箋での飲み方の指示には、「食後」「食前」「食間」「ねる前」「○○時間ごと」などありますが、「食後」というのが多いと思います。薬剤師さんは、処方箋に書かれた通りの指導をします。なかには食後じゃないと胃を痛めてしまう薬もありますが、こども用の薬は、大抵は大人の薬ほど胃を痛めません。「食後」という指示になっていても「食前でも構わない」ことが多いのです。では、処方箋にきちんと書け、ということになりますが、そうすると「食後だけど食前でもよい、食前のつもりで飲ませたら食べなかったというのも良い。時間が空いてたら良い。熱があるときは、解熱剤で熱を下げてから飲ませる」、こんな長ったらしい服用法は書けません。ご飯をお腹いっぱい食べた後では、おいしいおやつだって食べられないかもしれません。では、お腹がすいてたらどうでしょう。嫌いなものでも食べられるかもしれません。したがって、食前に薬を飲ませるのがお勧めとなります。

 さらに、何かと混ぜて味を良くする、飲みやすくする、という手もあります。それで、粉ミルクと混ぜても良いかという質問をよく受けます。大事なことは、薬と混ぜるとそのものの味も変わることです。それで、混ぜるのに使ったものが見るだけで嫌いになるかもしれません。ミルクが飲めないと大変なことになりますので、薬をミルクに混ぜるのは原則としては避けましょう。離乳食が進んで、ミルクが「主食」ではなくなった頃には、ミルクが嫌いになっても構わないということなら、ミルクに混ぜてよいです。粉薬を湯ざましで溶かして、ミルクの前に飲ませる、哺乳びん用の乳首をくわえさせて垂らしながら飲ませる、スプーンを使う、という方法もあります。何もない時はコップでも飲めるかもしれません。

 薬によっては、ミルクに混ぜてはいけないもの(抗生剤の一部など)、お茶とは一緒ではない方がよいもの(貧血の薬など)、酸っぱいジュースとではかえって苦味が出るもの、などあります。ふだんから、かかりつけ医と薬の飲み方の確認をしておくとよいでしょう。その上で特別な指示が出た時はきちんと守るようにしましょう。その子に応じた飲ませ方を作り上げて行きましょう。「まだ意味がわからないだろう」と決めつけず、子供に薬を飲む必要性を言葉で教えることが大切です。飲めたら褒めてあげましょう。親は子供が薬を飲んだら嬉しい、そして子供は喜ぶ親をみて、薬を飲むことが「良いこと」なんだと学ぶ、薬を飲めたら親が喜ぶことを期待し、実際に親が喜ぶ、そのようにあってほしいものです。

2011年12月13日 苫小牧民報 掲載

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