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Medical column とまこまい医報

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大腸癌治療(外科治療を中心に)

大腸癌治療(外科治療を中心に)

谷 安弘

(苫小牧市医師会・苫小牧市立病院)

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男女ともに 5 割を超えています。部位別がん罹患数で最も多いのは大腸がんで近年、患者数は増加傾向にあります。消化器系のがんの中では根治する可能性が一番高いのも大腸がんで、外科手術はその治療の大切な役割を担っています。

近年大腸がん治療は外科治療(手術室でおなかを切って行う切除)、内視鏡治療(大腸カメラでの切除)、抗がん剤治療、放射線治療の進歩とともに治療成績が向上してきています。

外科治療においては手術機材の進歩により、いろいろな手術が開発され、その一つとして腹腔鏡手術に代表される体への負担の少ない低侵襲手術が広がってきています。

腹腔鏡手術とは、傷を大きく開けて行う開腹手術とは違い、おなかに数カ所の小さな穴を開け、そこから高解像度のカメラ、腹腔鏡手術用のはさみなどの手術道具(鉗子)を挿入し、おなかの中をのぞき込みながら行う手術です。小さな傷で手術することができるため、術後の痛みが少なく、入院期間も短くなり、早期の社会復帰が可能です。

近年では腹腔鏡手術がさらに進化し、鉗子の操作をロボットで行うロボット支援下手術が普及してきています。この手術はまず泌尿器科領域から行われるようになり、現在では多くの消化器がんに対しても行われるようになってきています。

ロボット手術ではおなかの中に入れたカメラや鉗子をロボットアームにつけて、サージョンコンソールといわれるコクピットのようなところから遠隔操作して手術を行います。

外科医は高解像度の3D画像を見ながら手術をします。高解像度のカメラを臓器に接近させることにより肉眼では視認できないような神経や組織を確認することができます。鉗子には手振れ防止機能が付き、また鉗子の先端には関節が付いており自在に動かすことができ、組織をつかむ、切るなどの操作を繊細に正確に行うことができます。

大腸の中でも特に直腸は、狭い骨盤内の血管、ぼうこう、尿管、神経などが密集した中にあり、これらを損傷せずに確実に切除するのが困難です。直腸がん(骨盤内の大腸がん)はロボット手術の利点が最も生かされ、大腸がんの中で最初にこの場所が手術適応となりました。その後適応が広がって、現在ではどの部位の大腸がんでもロボット手術が行えるようになりました。

普通に身の回りのことを自分でできているような人であれば、手術数日前から入院して、術後数日で水分、食事が取れるようになり術後10日~2週間程度で退院することができます。

2025年03月11日 苫小牧民報 掲載

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