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Medical column とまこまい医報

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子どもの睡眠

子どもの睡眠

武知 紹美

(苫小牧市医師会・とまこまいこどもクリニック)

日本の子どもの睡眠時間は世界一短いということを知っていますか。3歳児の理想的な睡眠時間は1日11~13時間といわれていますが、日本の3歳児の平均睡眠時間は10時間25分です。その他の全ての年代でも、日本の子どもの睡眠時間は推奨睡眠時間を満たしていません。

子どもは起きている時に受けた刺激を、眠っている間に海馬と呼ばれる記憶に関する器官で整理整頓します。その結果、知識として蓄え心身の成長が促されます。他にも、睡眠中は成長ホルモンが分泌され、骨や筋肉の成長や傷ついた細胞の修復が行われます。このように、子どもの成長・発達において睡眠はとても大切です。では、なぜ日本の子どもの睡眠時間は世界一短いのでしょうか。その原因の1つとして、睡眠に対する関心の低さが挙げられます。日本では、子どもが生まれてから3歳まで地方自治体が実施する健診が約5~6回あり、そこで夜泣きや睡眠リズムなど睡眠に関わる質問を受けることがあるかもしれません。しかし、3歳児健診以降は子どもの睡眠に関して話す機会はあまりないように思えます。一方、アメリカ合衆国では小児科医との個別健診が3歳までに約10回、3歳以降は21歳まで1年に1回あり、そこで必ず睡眠に関する問診があります。実際、最初の『日本の子どもの睡眠時間は世界一短いということを知っていますか。』という問いに、約7割の日本の保護者が知らなかったと答えています。

日本での睡眠に対する関心の低さは、大人の睡眠時間にも反映されています。OECD(経済協力開発機構)のデータによると、世界の大人の1日平均睡眠時間は8時間27分に対し、日本の大人の平均睡眠時間は7時間22分であり、加盟33か国の中で一番短いという結果です。また、睡眠不足の理由についての調査で、25~34歳の女性では『育児のため』という回答が最も多いです。子育てをする中で、夜泣きや早朝覚醒、昼寝をしてくれないなど子どもの睡眠の悩みを抱え、自分自身も十分な睡眠をとれていない保護者は多くいるのではないでしょうか。子どもだけではなく、家族みんなが十分な睡眠をとれるように子どもの睡眠について悩みがある方はかかりつけ医に相談してください。

 

2024年08月13日 苫小牧民報 掲載

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