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Medical column とまこまい医報

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肝機能障害と言われたら

肝機能障害と言われたら

横山 浩二

(苫小牧市医師会・横山内科消化器科)

 一般的に肝機能異常といわれるのは、採血検査でALTが30を超えた状態を指します。もともと肝臓は、沈黙の臓器と言われ予備能力が高く、再生能力も高く、肝臓内部そのものには痛みを感じる神経をもたないので30パーセントにならないと症状がでません。症状がでたらすでに厳しい状態といえます。つまり健康診断などで肝機能異常を指摘された時はまず病院に行って再検査または精密検査を受ける必要があるということです。自覚症状としては、全身倦怠感、食欲不振、痒みなどありますが、慢性肝疾患患者の殆どには自覚症状は有りません。

慢性肝疾患の原因としては

  • B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスによるウイルス肝炎があります。最近は非常に良い治療法が開発されC型肝炎ウイルスによるウイルス肝炎は、比較的簡単に薬を飲むだけでウイルスを排除できます。またB型肝炎ウイルスによるウイルス肝炎も肝炎ウイルスの増殖を抑え肝炎を抑える良い飲み薬も開発されています。
  • 脂肪肝は肥満、糖尿病、脂質異常、高血圧を合併し、その一部は脂肪肝炎となり肝硬変となり、肝がんへと移行します。

全身の代謝疾患の管理治療が大事となります。

3)   アルコール性肝障害は、男性60g/日

  女性40g/日以上のアルコールを飲み 

  かつAST,γGTP異常のある状態であり

  禁酒,節酒が大事です。

4)   自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎

という自分の体の一部に対する免疫の異常による肝臓病があります。この疾患に関しては免疫抑制剤や胆汁酸などが治療として使用されます。

5) 薬剤性肝障害は意外と多く、サプリメン

  ト、漢方薬なども原因となることがある

ので気を付けましょう。

健康診断で肝機能障害と言われたらまずは専門医を受診するのが望ましいです。

2024年07月16日 苫小牧民報 掲載

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