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循環器疾患のトピックス

循環器疾患のトピックス

大岩 均

(苫小牧市医師会・王子総合病院)

 循環器疾患と言っても、どんな病気なのかピンとこない方もいるかと思います。狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈など心臓に関する病気(心臓病)と考えてください。心臓病は日本人の死因の第二位を占めるだけではなく、その有病率も高く治療・予防は国民生活において重要な問題となっています。そこで狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患のことについて書いてゆきます。

 まず、虚血性心疾患の多くは、心臓にはりめぐらされた冠動脈の動脈硬化によっておこり、高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などは重要な危険因子です。食生活や運動不足など日常生活の中での良くない習慣が誘因と考えられます。また、最近、慢性腎臓病(CKD)という腎機能障害の人が、心血管系疾患での死亡率が高いと報告されています。なんと日本人の約1300万人がCKDであると推測されています。予防には、こうした生活習慣病を治療し、日常生活を改めることが先決ですが、これが一番大変かもしれません。

さて、狭心症と心筋梗塞の違いがわかりますか?簡単に言うと、狭心症は冠動脈という血管が狭くなり血液の流れが妨げられた状態で、心筋梗塞は血管が詰まって血流が途絶えた状態と説明できます。血管の内壁にコレステロールなどの物質が塊(プラーク)を作り、血管内を狭くするのですが、ちょうど水道管の内側に水垢が付いて盛り上がった状態を想像するとわかりやすいかもしれません。

 狭心症では、胸の中央部の絞めつけ感、圧迫感を感じますが、痛みの境界がはっきりしないことが多いです。狭心症の診断には運動負荷心電図が重要で、異常があれば入院して冠動脈造影を行います。最近はCT(64列CT)でも冠動脈の描出が可能となり、外来でも冠動脈の狭窄度をかなり評価できるようになりました。冠動脈に強い狭窄があれば、いわゆる風船療法を行います。冠動脈内に風船のついた細い管(バルーンカテーテル)を挿入し外から風船を拡張して、血管を広げる治療です。さらに冠動脈の再狭窄予防のためステントという金属の網状の筒を血管内に留置し、広げた血管壁を内側から支えます。また、最近では冠動脈の再狭窄予防のための薬物を塗布したステントが多く使用されています。

 心筋梗塞の治療は出来るだけ早い時間に遮断された血流を元に戻すことです。この風船療法を行うようになってから、心筋梗塞の死亡率は10%以下になってきています。最近、「LDLコレステロールに気をつけましょう」とテレビのCMに出ている有名人もこの治療を受けています。

 こうした病気にならないことが一番ですが、発症後はいたずらに恐れることなく再発予防のためしっかりと治療を受け、日常生活に注意することが大事です。

2008年07月28日 苫小牧民報 掲載

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