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コレステロールと卵

コレステロールと卵

濵島 浩史

(苫小牧市医師会・光洋いきいきクリニック)

健康診断で、「コレステロールの値が高いですね」と言われたことはありませんか?「高脂血症」は全く自覚症状がないことが多い病気です。しかし放置すると、脳梗塞や心筋梗塞などの大きな 病気につながってしまいます。特に高血圧や糖尿病、肥満の方は要注意!コレステロールのピークは、男性40歳代、女性は男性より10年ほど遅れる傾向にあります。これは女性ホルモンと関係があり、閉経とともに脂質代謝が変動するからです。

以前からコレステロールの対策として、卵を控えるという話しを聞いたことはありませんか? しかし最近の報告では全く関係ないと言われているのです。約100年前にロシアでウサギに大量の卵を食べさせたところコレステロール値が上昇したという報告があり、「コレステロールの高い人は卵を控えましょう」と言われるようになったのです。しかしウサギは草食動物ですよね。このためコレステロールは100%体内で合成しているのです。むりやりコレステロールを食べさせると体外に排出する仕組みがないので、与えたら与えた分だけコレステロール値が上昇してしまうのです。人間の場合は口から入るコレステロールが増えると、肝臓で作られるコレステロールが低下することがわかりました。一般的に口から接種されるコレステロールは30%、これに対して体内で合成されるのは70%です。このため卵を毎日食べても影響は全くありません。安心して卵を 食べてください。

重要なのはコレステロールの合成を促す成分を控えること。自分の状態をよく考えてバランス よく食事をしていくことが大切です。

2024年02月13日 苫小牧民報 掲載

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