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いろいろな関節痛と関節炎

いろいろな関節痛と関節炎

松本 巧

(苫小牧市医師会・勤医協苫小牧病院)

関節痛は比較的頻度の多い症状で、統計によって異なりますが外来に受診する理由の8位であったとする報告もあります。この記事をご覧になっている方の中にも関節痛の経験をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。

 

関節痛を生じる病気は大まかに分類しても30以上知られていますが、経過(急性や慢性)と数(1カ所のみ痛む場合や、多数の関節が痛む場合)は病気によってそれぞれ特徴があります。例えば手指の一番先にある関節(DIP関節と言います)が硬く隆起してきて、慢性的な痛みを生じる病気で有名なのが変形性関節症です。変形性関節症は40歳以上の4人に1人(25%)いるとも言われ、慢性の多発性関節痛を生じる病気の代表格です。

 

 関節痛と似た言葉に関節炎があります。炎症の四大徴候(痛み、腫れ、発赤、熱感)が関節に現れます。ただし、炎症の程度が強くなければ発赤と熱感は見られません。急性関節炎の代表的な病気である痛風は、関節(特に足の親指の付け根)に強い炎症が起こり、発赤と熱感も伴います。

 

関節に炎症を起こすと、炎症の四大徴候に加えて、機能障害(曲げ伸ばしが困難になる)も加わります。これを加えて、関節炎の五大徴候と呼ぶことがあります。関節炎を起こすとほとんどの患者で関節痛と関節の腫れが現れます。関節痛があっても、腫れていなければ関節炎の可能性は低くなります。

 

単なる関節痛と関節炎には医学的に大きな違いがあります。関節痛だけなら関節はすぐには変形しません。しかし、関節炎の場合は、炎症の程度にもよりますが、長引くと関節が変形してしまうことがあります。

 

 慢性の多発性の関節炎によって関節が変形する病気の代表的なものが関節リウマチです。200人に1人程度が関節リウマチにかかります。日本には70万人前後の患者さんがいて、8割が女性です。最近10年間で診断・治療法が進歩し、患者さんのQOLが向上し寿命も延びました。治療を受けながら競技を続けているプロスポーツ選手もいます。

 

治療の最終的な目標は痛みを取り除くことだけではなく、関節リウマチになる前と同じように日常生活を過ごせるようになることです。しかし一部の患者さんの中にはさまざまな治療薬が効きにくかったり、合併症のために十分に薬が使えなかったりする方もいます。このため治療による利益とリスクを主治医とよく相談して、一人一人の全身状態に合わせた治療方法を選ぶことが重要です。

2022年03月16日 苫小牧民報 掲載

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