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Medical column とまこまい医報

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老健を利用してみませんか

老健を利用してみませんか

神谷 喜一郎

(苫小牧市医師会・桜木ファミリークリニック)

介護老人保健施設(以後老健)と聞いて、どういうイメージをお持ちでしょうか。老健は、入院後病気は良くなるも直ぐに退院出来ない人が入る中間施設として作られたため、退院後在宅療養の困難な人や在宅で療養の継続が難しくなった人が入る施設と考えている人が大多数ではないかと考えます。

 老健の役割は、在宅療養の困難な方に対して入所していただき、リハビリを施行して、日常生活動作(ADL)を改善して在宅療養へつなげることです。

 もう一つの重要な役割は、ショートステイ・通所リハビリテーション(デイケア)・訪問リハビリテーションを使って、在宅療養を支援する事です。実際このサービスを使って何年も在宅で生活を続けられるケースは少なくありません。さらに、定期的に2〜3ヶ月程度入所してじっくりリハビリを施行しADLを改善させて在宅療養を継続することも可能です。このように、在宅療養を続けるために上手に老健のショートステイや入所を利用することが大切と考えます。

 さらに、本年4月から「総合医学加算」が新設されました。これは、在宅の要支援及び要介護者の方が急に状態が悪化した場合(肺炎(軽症)、尿路感染症、血糖のコントロール、褥瘡や外傷など疾患を限定することはなくあらゆる医療ニーズに対応しています)、7日間に限られますが治療を目的としてショートステイを利用することが可能となったものです(これを利用するにあたりかかりつけ医と老健との連携が必要となります)。今までは、連日の通院または往診が必要となり、ご本人や御家族は大変だったのですが、これを利用することにより治療や療養がスムーズに進み、ご本人や御家族の負担は大幅に軽減されます。また老健であればショートステイでリハビリも提供でき、身体機能の急激な低下を抑えながら治療が出来ます。

 老健は医師が常駐しており、リハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、および言語聴覚士)が複数いて、医療機能そして、リハビリ機能、介護機能がバランスよく備えている施設です。老健を利用することにより、今まで以上に在宅療養の期間が延びる可能性があります。もっと気楽に老健を利用してみませんか。

 

2021年01月14日 苫小牧民報 掲載

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