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Medical column とまこまい医報

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麻疹・風疹について

麻疹・風疹について

松井 雅之

(苫小牧市医師会 ・トヨタ自動車北海道株式会社)

麻疹(はしか)は空気感染、飛沫感染、接触感染により感染します。麻疹ウイルスの感染力は極めて強く、マスクや手洗いでは防ぐことができません。免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症します。

 感染すると約10日後に発熱やせき、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が出現します。肺炎、中耳炎や脳炎を合併しや

すく、学童期に亜急性硬化性全脳炎と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもあります。麻疹含有ワクチン(主に接種されているのは麻疹・風疹混合ワクチン)を2回接種することによって、ほぼ99%の人が免疫を獲得することができます。2006年度から、1歳児と小学校入学前1年間の2回接種が始まりました。

 風疹は、風疹ウイルスによって引き起こされる急性の発疹性感染症です。風疹ウイルスの感染経路は主に飛沫感染で、人から人へ伝搬します。症状は不顕性感染(感染症状を示さない)から、重篤な合併症併発まで幅広く、特に成人で発症した場合小児より重篤化することがあります。また脳炎や血小板減少性紫斑病を合併するなど、決して軽視できない疾患です。風疹は麻疹に比べてはるかに軽い病気ですが、ただ免疫がない女性が妊娠初期に風疹に罹ると、胎児が先天性風疹症候群という白内障・心臓奇形・難聴などを発症することがあります。  

昭和54年4月2日以前に生まれた男性は、公的な風疹の予防接種を受ける機会がありませんでした。厚生労働省は昭和37年4月1日から昭和54年4月1日生まれの男性を対象として、風疹の予防接種を無料で受けられるクーポン券を配布する事業を、平成31年4月1日から3年間限定で開始しました。苫小牧市でもこの配布事業を行っており、該当する方は是非利用して下さることを希望します。

わが国は平成27年に世界保健機関から、麻疹の「排除状態」と認定されましたが、2019年1月大阪のデパートで集団発生し、症例すべてが東南アジア地域で流行している遺伝子であることが確認されました。無防備での海外渡航は危険です。麻疹の予防接種を2回受けていない場合、また接種既往が不明の場合には予防接種を受けることを検討して下さい。 

風疹または麻疹の一方に罹ったことがあっても、他方に罹っていない場合予防接種を受けることができます。以前に予防接種を受けたことがある人が、受けたことがないと思って、再度予防接種を受けても問題ありません。

2021年03月17日 苫小牧民報 掲載

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