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急性扁桃炎

急性扁桃炎

小林 一豊

(・苫小牧耳鼻咽喉科クリニック)

1.急性扁桃炎とは?

 かぜをひくと、のどが痛かったり、のどの辺りが腫れて赤くなったりします。このような症状はかぜの原因であるウイルスや細菌が咽頭や扁桃に感染して起きるための症状です。

 扁桃は口を開けた時に口の奥、口蓋垂(のどちんこ)の両側にあるリンパ組織です。昔は扁桃腺といいましたが、扁桃には腺構造がないので、扁桃が正式名称です。人間の体には異物が入ってくると、それらを攻撃し、排除する機能があります。この機能を免疫といいます。扁桃は免疫機能をもち、侵入してきたウイルスや細菌を攻撃しこれらの異物の侵入から体を守ってくれる臓器です。扁桃内では、毎日、ウイルスや細菌との戦いが起きており、常に小さな炎症を生じていますが、通常は免疫の働きで自然に収まっています。しかし体を冷やしたりして体の免疫機能が弱っている時にはウイルスや細菌が増殖し、のどの痛みや発熱を症状とする急性扁桃炎がおこります。扁桃は炎症で真っ赤になり、扁桃表面の窪みに膿が詰まり、白っぽい斑点がみられるようになります。こうなると食事をとるのも困難です。このような時の治療は炎症を抑える消炎鎮痛剤や原因となる細菌を死滅させる抗菌薬を服用します。通常はこれらの薬を服用することにより57日間程度で炎症は治まり症状は回復します。扁桃全体が膿で覆われるような炎症の強い場合は抗菌薬を点滴で注入することもあります。この時期には、無理をせず安静にして、水分や栄養をきちんと補給し、口腔内を清潔にするためのうがいをして、人間が本来もっている免疫などの自然治癒力を増大することが大事です。特に、小児では脱水になりやすいので、水分の補給が重要となります。

2.急性扁桃炎で扁桃の摘出が必要な場合は?

1年に急性扁桃炎を4回以上起こす場合を習慣性扁桃炎とよび扁桃摘出の適応疾患です。急性扁桃炎を起こすと発熱やのどの痛みのため1週間くらい学校や仕事を休むことになります。これが1年に4回以上だと日常生活に支障がでます。扁桃を摘出したほうが快適な社会生活をおくることが出来るため手術を行います。扁桃が大きいだけで炎症がなく無症状の場合は手術の必要はありません。

 

 

 

 

 

2020年09月16日 苫小牧民報 掲載

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