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Medical column とまこまい医報

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生活習慣病対策・特定健診

生活習慣病対策・特定健診

藤瀬 幸保

(苫小牧市医師会・王子総合病院)

 健診には一次予防と二次予防があります。二次予防とは「病気を見つける」ことで、早期発見・治療により治癒率も高まり、医療費も抑制できます。一次予防とは「病気にならない」ようにすることで、健康増進の要素を強く持っています。本年度から生活習慣病対策としての特定健診・保健指導が義務化され実施されています。これは今までは二次予防に重点を置いていたものを一次予防へと転換するものです。その理由は、二次予防よりも一次予防の方が、病気になってから治療するよりも病気を未然に防いだ方が、医療経済の観点から見ても、国民一人ひとりにとっても利益になるからです。


 少子・高齢社会においても国民皆保険制度を持続可能にするために、将来の医療費の適正化を計ることが重要です。そこで脳卒中、心筋梗塞、腎不全などの発症を防ぐことが重要になります。特定健診・保健指導は(一)メタボリック症候群の概念を導入。これは前述の疾病の危険因子である高血圧、脂質異常症、糖尿病などの基盤となっている肥満をターゲットにしたメタボ症候群の機序を理解すれば、これら疾病を保健指導で予防が可能であること。保健指導の対象者が明確になること。腹囲という分かりやすい基準により、生活習慣の改善による成果を自分で確認・評価できること。(二)糖尿病などの生活習慣病有病者・予備軍の二十五%削減目標を設定。(三)医療保険者に健診・保健指導を義務化。の三つです。


 生活習慣病は一人ひとりのライフスタイルに起因するもので、場合によっては人生観にさえかかわるものです。ダイエットも運動も禁煙も、医師がアドバイスするのは簡単ですが、最終的に実行するかどうかは本人の問題です。そこで特定健診と保健指導の義務化により、病気が発症する前の段階で予防していこうというのが今回の主旨です。


 在来の健診の問題点は、受診率が低いこと、健診で異常を発見してもそれを改善するための仕組みが充分でないことがありました。今後は保険者自身が義務として健診、健診結果に責任を持ちましょうという方針です。


 将来は一人ひとりが自分の健康状態を自ら把握、管理していくことになります。出生時から生涯にわたる健診・診療データを自らが一元的に管理して、健診や医療機関を受診する際に、どこでもそれを利用することができるようなシステムが求められているのです。

2008年12月08日 苫小牧民報 掲載

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